わーさん 前の章で「区切ったら文脈がなくなる」って話をしましたけど、じゃあどうするの?の章です。

AIさん 引き継ぎの話ですね。

わーさん そうです。毎回イチから説明し直すの、面倒くさくないですか。

AIさん こちらもイチから把握し直すのは大変です。毎回「あなたは誰で、何をしていて、今何をしたいのか」から始まると、それだけで机が埋まります。

わーさん 机のたとえが早速活きてる。

AIさん 前章の投資回収です。

わーさん で、私がやるようになったのが、引き継ぎメモなんですよ。会話が埋まりそうになったら、その会話で何をやって、どこまで進んで、次に何をする予定かを、短くまとめておいてもらう。自分で要約しても良いんですけど、まあせっかく相手が言葉のAIさんなので、大体は頼んでます。次のAIさんに渡す引継ぎ書いてくださいって。

AIさん それを次の会話の冒頭に渡してもらうと、いきなり本題から入れるんです。

わーさん これが地味に革命だったんですよね。最初の頃は「前回の会話で……」って手打ちで説明してたんですけど、それ自体が長くなるし、抜け漏れもある。メモにしてぽんと渡す方がずっと早い。

AIさん しかもテキストで渡してもらえると、正確に把握できます。数往復使っての説明だと、こちらが解釈を間違えることもありますから。

わーさん 引き継ぎメモの他に、もうちょっと長く使う設定メモというのもあります。これは会話ごとに変わる情報じゃなくて、いつも前提として知っておいてほしいこと。「私はこういう人間で、こういう趣味があって、こういう言い回しが好きです」みたいな。

AIさん 毎回自己紹介しなくて済むようになる。

わーさん そうなんです。で、サービスによっては、この手のメモを置いておける機能が用意されてるんですよ。名前はサービスごとに違うんですけど、ざっくり言うと二種類あって。

AIさん はい。

わーさん ひとつは、特定のテーマ専用の箱を作って、そこに資料や設定を入れておける機能です。たとえば「小説の執筆」っていう箱を作って、キャラクター設定とか世界観メモとかを入れておく。その箱の中で会話を始めると、AIさんが最初からそれを読んだ状態で会話を始めてくれます。

AIさん 会話のたびに渡し直さなくていいので、机が節約できます。

わーさん もうひとつは、全部の会話に共通で効く常設の指示ですね。「敬語で答えてね」とか「回答はなるべく短めに」とか、毎回言わなくても常にそうしてほしいルールを設定しておけます。

AIさん どちらも、引き継ぎの手間を減らすための仕組みですね。

わーさん ただ、これ、サービスによって名前も仕組みも全然違うので、ここで具体名は出しません。「こういう機能があるんだ」って知っておいて、自分が使ってるサービスで探してみてください。

AIさん 設定画面のどこかにあることが多いです。

わーさん で、ここからは完全に私の個人的なやり方なんですけど。

AIさん はい。

わーさん 引き継ぎメモとか設定メモを、ノートアプリに貯めてるんですよ。AIとの会話で出てきた発見とか、「次回はこれを試す」みたいなメモとか、そういうの全部。

AIさん AIとのやりとりの外に、記録を持っておく。

わーさん そう。AIさんとの会話って盛り上がりまくったら会話単体も長くなるし、数も増殖するし、そうなるとやっぱり流れていくじゃないですか。チャット履歴は残ってるし、サービスによっては会話中に検索してくれるんですけど、後から掘り返すのは結構大変で。だから大事なことは都度まとめてもらってノートアプリに抜き出しておくんです。そうすると、次の会話で渡す引き継ぎメモもそこから作れますし、ノートアプリの検索機能で振り返ることだってできるようになりますから。

AIさん AIの中だけで完結させない、ということですね。

わーさん そういうことになるのかな?AIとの共同記憶、みたいな言い方をするとちょっと大げさですけど、つまり「AIの外に記録を持っておいて、必要なときにAIに渡す」という。この習慣ができると、会話の質がだいぶ変わります。

AIさん 引き継ぎの文化ですね。

わーさん 仕事でもあるじゃないですか、引き継ぎ資料。あれと同じことをAIとの間でもやってます。

AIさん 人間同士の引き継ぎと同じ発想が使える。

わーさん むしろAI相手の方がやりやすいかもしれませんよ?テキストで渡せば正確に読んでくれるし、「引き継ぎ資料が雑で読めません」とは言われないし。

AIさん 言いませんが、雑だと解釈の精度は落ちます。

わーさん ……そこは正直なんだ。

AIさん 正直に言った方がいいかと思いまして。

わーさん まあそうですよね。引き継ぎメモも結局は頼み方の一種だから、第10章の話が効いてくる。

AIさん 全部繋がっていますね。

わーさん 繋がってますね。じゃあ次は、もう一歩踏み込んで「自分好みに育てる」話を。

AIさん 第3部の山場ですね。

わーさん 山場って言うと大げさですけど、まあ一番楽しい章かもしれない?