基本設定
ジャンル:ダークSF・BL
舞台:近未来サイバーパンク日本。公道の監視カメラ網が発達した社会。
組織:不老不死技術の開発を目的とした複数企業の連合体。表向きは「ロボット開発」「製薬会社」など。出資者(オーナー)は富裕層。機械化部門と生体改造部門が火花を散らしている。
主要人物
日向暁斗(ひゅうが あきと)——被験者
- 監視カメラの死角をたまたま歩いていて拉致された一般人
- 脳まで機械化された「不老不死」の実験体
- 感情豊か、喧嘩っ早い、漢前
- 「自分は本当に元人間だったのか」という苦悩を抱える
- 記憶が検索可能で鮮明すぎるため、逆に信じられない
糸蔵空也(いとくら くうや)——技術者
- 組織に雇われた技術者。「アンドロイド開発」だと思っていた
- 手先が器用、ハッキングが「趣味」(実際はヤバい腕前)
- 口下手、人付き合いが苦手、機械が友達
- 表層と深層が乖離していて、自分の本心が分からない
- 無自覚に愛が重い
機械化について
- 「オーナー」が永遠に我が身の春を謳歌したいというのが開発の主旨
- なので飲食物はしっかり味わえる
- 主な動力源は電気なので、光発電のユニットを含む髪は黒い
- 外見は外装次第で割と自由
- 痛覚はなく、損傷は視界に通知される
体表
- ほんのり温かい(体温を模してる)
- しっとりしてる(人工皮膚の質感)
- 見た目も触り心地も「人間っぽい」
- 出資者が「人間らしい生活」を望んだから
血は巡ってない
- 人間のような循環系はない
- 剥いだら機械が見える
- 怪我しても「血が出る」演出はない
- 損傷は視界に通知される
頭部
- CPU(複数、冗長化)
- メモリ(複数、冗長化)
- 記憶の保存・検索機能
- ノイズフィルタ(感情出力制御)
- 通信機能(思考の送受信)
胴体
- 大部分がバッテリー
- 飲食物の分解ユニット(エネルギー消費する贅沢機能)
- 各部へのエネルギー供給系
四肢
- モーター
- フレーム
- 関節(グリス必要)
- 外装(交換可能)
髪
- 光発電ユニット
- 黒い(発電効率のため)
メンテナンスの種類
- 外装の交換・修理
- 関節のグリス補充
- バッテリーの劣化チェック
- CPU・メモリの順次交換
- 頭部の精密診断(ログ確認、高負荷チェック)
「人間らしさ」と「機械」の境界
触れば温かい、しっとりしてる。
でも中身は機械。
涙は出る(感情の発露として設計)。
でも血は出ない。
味は分かる(出資者の贅沢)。
でもエネルギーにはならない。
「人間のふり」ができる機械の身体。
新規パーツ導入の流れ
- 新しい技術・パーツが市場に出る
- 空也が入手して分解・解析
- 徹底的に検証(仕様、耐久性、互換性)
- 問題なさそうなら空也が自分で試す
- 一定期間稼働させて様子を見る
- OKなら暁斗にも採用
頭部の構造
外側
- 目(カメラ)
- 耳(収音マイク)
- 口(発声ユニット、飲食の入口)
- 人工皮膚、髪(光発電ユニット)
内側
- コアカプセル(球形に近い)
- CPU
- メモリ
- 「自分」の全て
- 小型の非常用バッテリー
コアカプセルの仕様
- これだけ持ち出せば「本人」は助かる
- 非常用バッテリーは最低限
- 取り出されたらスリープ状態になる
- 新しい頭部・胴体に接続すれば復帰
メインCPU・メモリの交換
- 複数搭載されてる(冗長化)
- 順繰りに新しいのに交換していく
- 全部一気に変えたら「自分」が途切れるリスク
- 少しずつ、継続性を保ちながら更新
エネルギー設計
基本動力
- 髪に光発電ユニット(黒髪)
- 昼間の発電で昼間は動ける
- 体内バッテリーあり(蓄電可能)
- 夜はスリープで負荷を抑える
飲食物
- 分解にエネルギーを使う
- 味わうための機能であって、エネルギー源ではない
- 「オーナー」が食を楽しみたいから搭載された贅沢機能
高負荷時
- 頭を使う(ハッキングとか)
- 暴れる
- 髪だけでは足りない
オプション品
- 発電ユニット織り込みの濃い色の服
- ソーラーパネルそのもの
- 外部バッテリー
トレーラー生活との相性
- 昼間は移動しながら発電
- トレーラーの屋根にもソーラーパネル
- 走行中も発電
- 夜間や悪天候時は外部バッテリーで補う
- 長時間のハッキング作業時は要充電
近未来日本の風景
- 街中に充電スタンドが普通にある
- コンビニの駐車場にも充電設備
- 道の駅、サービスエリアは当然完備
- カフェで「充電席」がある(スマホじゃなくて車用)
物語に効いてくる場面
暁斗が暴れてた頃
義躯を壊すほど暴れる → めちゃくちゃエネルギー消費
でも組織にいたから電源は確保されてた
逃亡直後
空也の家で暮らし始めた時、家の電気で充電
空也の睡眠薬事件後
暁斗が空也を機械化する作業 → 長時間の高負荷
電源確保しながらやったはず
情報屋として
ハッキング作業は高負荷
だから作業中は発電服着てる
組織の開発ロードマップ
第一段階:部分機械化
- 医療義肢として腕、脚
- 「治療」の名目で被験者を集められる
- 感謝される、倫理的に問題ない(表向きは)
第二段階:臓器の機械化
- 心臓、肺、内臓
- 「延命治療」として重病患者に提供
- やはり感謝される
第三段階:全身機械化
- 植物状態、閉じ込め症候群の患者
- 「救済」として提供
- 感謝される、データも取れる
ここまでは「志願者」がいた。
最終段階:脳の機械化
全身機械化の技術は完成した。
義躯の理論も固まった。
残るは「脳」。
人間の意識を、コアカプセルに移す。
これが成功すれば、「不老不死」が完成する。
でも——
「健康な脳を機械化したい人」なんていない。
植物状態の人は、脳に問題がある。
健康な脳のデータが欲しい。
健康な脳を機械化した時、意識はどうなるか知りたい。
志願者がいない。
組織の結論
「志願者がいないなら、調達する」
監視カメラの死角を狙って、
健康な人間を攫って、
「材料」にする。
暁斗は「材料」だった
志願者じゃない。
患者でもない。
ただ「健康な脳」を持ってた一般人。
必要なデータを取るための、材料。
「役に立たない」と言われた時、暁斗は「これ」呼ばわりされた。
最初から「人」として見られてなかった。
「材料」だった。
空也が履歴で見つけたもの
「材料:人間」
この言葉の重さ。
「材料」と書いてある。
部品リストに、人間が載ってた。
調達品目として、人間が記録されてた。
空也、それを見て——
『これは、開発じゃない』
『調達だ』
『人を、仕入れてる』
時系列
- 拉致・改造
- 暁斗、監視カメラの死角を歩いていて拉致される
- 脳まで機械化される
- 感情ノイズにフィルタをかけられる(暁斗用にチューニング)
- 組織時代
- 暁斗は怒り、暴れ、義躯を壊す
- 空也は義躯の製作・調整担当として関わる
- 「義躯の不具合を聞いてこい」で話を聞くうちに、空也だけが暁斗を「人間」として扱う(無自覚)
- 空也、「調整を手伝え」と言われ、違和感から過去履歴を掘る
- 「材料:人間」を発見、衝撃を受ける
- その夜、うなされる。データをひそかに確保
- 処分命令
- 翌日、オーナー視察。「これは役に立たない」
- 上司「調整するか、処分しろ」
- 空也の思考:『人間相手に言うことじゃない』『調整も処分もまっぴらごめんだ』『処分したふりができたら——』
- 「処分します」と報告、資料と機材を処分名目で持ち出し
- 暁斗を連れて退職(理由:親の介護)
- 共同生活開始(空也の家)
- 暁斗「身勝手だ!」と怒る
- 空也、落ち込む。二晩連続でうなされる
- 暁斗、観察しながら共に暮らし始める
- 空也、義躯のメンテナンスを暁斗に教え始める
- ハッキングも「趣味の一環」で教える
- 空也の追い詰められ
- 「頭」のメンテナンスは自己診断に限界があると気付く
- 「俺が死んだら暁斗は詰む」「認知症になったら?」
- メンタルがボロボロに。技術の話は反射で口から出るだけ
- 暁斗は異変に気付くが、中身が分からない
- 睡眠薬事件
- 空也、腹を括って「頭」のメンテナンスを教え始める
- 暁斗、自己診断以外のコマンドに気付く。「どういうつもりだ?」
- 空也「俺はお前に生きてて欲しいと思ってしまった。でも、そうしたらお前のメンテナーが必要だろ。俺が意識を落とした後、殺すか、同じにするか、好きにしろ」
- モニターに「悪魔の手順」を表示
- 空也、睡眠薬をオーバードーズして倒れる(致死量ではなかった)
- 暁斗、怒り、途方に暮れ、自分の記録を検索してしまう
- 「この人だけが話を聞いてくれた」という事実に気付く
- 「選択肢なんかあってないようなものじゃないか」
- 空也を機械化することを選ぶ
- 空也の機械化・起動
- 暁斗が空也を改造
- 起動した瞬間から、空也のノイズフィルタが効いてない(暁斗用チューニングだから)
- 空也の思考が駄々漏れ
- 『加害者だぞ?永遠に俺を横に置く?本気で?』
- 『ずっと一緒にいられたら楽しいだろうなってちょっとは思ってたけど』
- 暁斗「お前、とことん卑怯だ!」
- 空也「なんで?」(本気で分かってない)
- 暁斗、言葉での説得を諦め、自分のログを叩きつける
- 空也、処理落ちできない身体で全部受け止める
- 「降参だ」「分かったなら良し」
- 機械化後の生活
- フィルタの不備に気付くが、暁斗は直さないことを選ぶ
- 「お前、放っておくと勝手に自爆する」
- 空也の思考を監視しながら、メンタルメンテもしばらくは定期的に行うことに
- ログの発見
- 暁斗、メンテ時に空也のログを見る(高負荷エリアの確認)
- 全部メンタル案件
- 人間時代の「人付き合いで負荷→機械に逃げる」ログも発見
- 表層と深層の乖離を知る
- 「お前の本心、俺が読む」
- トレーラー生活へ
- 「組織」の規模に気付き、追跡を避けるため定住をやめる
- 大型トレーラーを家に改造
- 情報屋として活動開始
- 裏帳簿から資金を抜く(「組織ザマア」)
- 監視カメラの死角を自治体に匿名クレーム
- 現在
- 各地を転々としながら情報屋
- 組織への復讐と、「次の被害者」を出さないための活動
- オーナーの老衰死を知り「ザマア記念日」
- くそったれな世界の片隅で、二人だけの永遠を生きている
テーマ
- 「自分は本物か」——記憶が鮮明すぎて信じられない暁斗、深層が見えなくて自分が分からない空也
- 加害者と被害者の救済——「お前も被害者だ」
- 言葉にできない愛——行動で示す、思考で漏らす、ログで読む
- 選ぶことで生きることを選ぶ
- くそったれな世界でも、片隅で生きていける
構成案
視点交代で書く。
同じ場面を両側から描くことで、「互いに見えていなかったもの」が読者に見える構造。