◆ 主人公パート(本編)
一貫して「俺」を使用。序盤は短文・途切れ途切れ、後半にかけて文章が滑らかに長くなる構成で回復を表現。
第1〜2章(混乱・変化直後/秋〜冬)
- 文は短く、接続詞は極力削る。
- 視覚・聴覚の描写は少なく、触覚や圧迫感など身体感覚に寄せる。
- 呼吸や心拍の感覚を地の文に混ぜる。
例
蜂の羽音が近い。背筋が冷たくなる。
足元が崩れた。
何かが絡みつく。締め付けられる。
息が……できない……いや、苦しくない……?
第3〜4章(罪悪感と決意/春〜夏)
- 内面描写は断片的だが、感情の単語が増える。
- 自己否定と「せめて」のような小さな決意が混在。
- 季節の描写は匂いや温度を中心に植物的感覚で。
例
花粉の匂いが広がる。小動物が揺れる草の震えを感じる。
気付いたら……捕まえていた。
魔力もない、ただ生きていただけの命。
……違う。
人間を襲う魔物だけを狙おう。せめて、それだけは。
第5〜6章(遭遇と動揺/秋)
- 感覚の描写は鋭くし、短文で緊張感を維持。
- 相手が旧友だと気付く瞬間は文章を詰める(間を詰めることで息苦しさを表現)。
例
魔力が近づく。強い……でも、魔物じゃない。
避ける。攻撃しない。
それでも攻撃は止まらない。
この動き……まさか……旧友……?
第7〜8章(戦闘・致命傷/秋)
- 感情の起伏が大きく、短文と長文を混ぜてテンポを揺らす。
- 死を覚悟した瞬間は音や匂いが薄れるように描写する。
例
蜂……あの日の奴だ。
旧友を狙うな……!
名前を呼ばれた瞬間、動きが止まった。
茎の奥が熱くなり、次の瞬間、全てが遠ざかっていく。
……最期に会えて、よかった。
第9〜10章(回復と変化/春〜秋)
- 文が少しずつ長くなり、接続詞も増える。
- 感覚描写は植物と人間の両方を混在させる。
例
光が見える。輪郭も少しずつ分かる。
この体は土人形、けれど内側には俺の根が張っている。
歩けた。葉もまた芽吹いた。
少しずつ……戻ってきている。
第11章(安定と誓い/春)
- 言葉は滑らかで安定、間も余裕を持たせる。
- 季節感を背景にして感情を締める。
例
丘の上から森が見える。花が揺れている。
旧友の隣で息をする。
もう、離れない。これからも、隣で。
◆ 旧友パート(幕間)
一人称は「私」。主人公パートよりも語彙は安定し、文章は落ち着いて長め。感情が強い場面は比喩や過去の回想を挟む。
幕間1
- 過去回想を丁寧に描き、主人公の成長を時間軸で追う。
- セリフは柔らかく、感情は地の文に含める。
幕間2
- 仇討ちの決意を静かに表現。
- 危険な植物の噂に触れるときは軽く流すが、「心の棘」だけ残す。
幕間3
- 主人公の動きへの既視感を重点に。
- 戦闘描写は短く、違和感の余韻を長くする。
幕間4
- 焦燥感を文のテンポで表す。
- 土人形の制作は手順と感情を並行して描く。
幕間5
- 静かな場面。会話は短く、余韻を持たせる。
- 「同じ時を歩ける」という安心感を文章の締めに。