|()|(すが)にもっと何かあると思ったのに、と|(はつ)|()は|()|(ほう)に暮れる。
 相手は人間。人間なのだ。そう、自らに言い聞かせ続けないといけないくらい、|耀(かぐ)|()の存在は|(はつ)|()の中で大きくなってきていた。
 関わって|()しくなかったし、|()み|()んで|()しくなかったし、今となっては、|()き|()みたくもない存在。生身の人間は思考を読んで安心することもできず、万が一の事態が起こるとあっという間に命を落としかけてしまう。それこそ、かつての|(はつ)|()自身のように。
 |(はつ)|()の、というより、|()|(のん)の事情は複雑だ。|()|()|()家に生まれたものの、遺伝子|(けつ)|(かん)により役立たずとして|(はい)|()され、それを|()|(おん)に拾われた。やっと、人間らしい|(あつか)いを受けて|()|()に目覚めたところで、改めて|()|()|()家が処分。|(まさ)にギリギリのところで|()|(おん)の妹、|()|(おん)と、|(あま)|()の助けを得て、命からがら、今に至っている。
 |()|(のん)を拾ってくれた|()|(おん)、共に暮らす|(あま)|()にしても裏の事情はやっぱりあるし、|()|(おん)などは|身体(からだ)が|(ゆく)|()不明という有様で、|(いま)だに|(だつ)|(かん)の|()|()も立てられていない。
 これらの全てを知ったとしたら、|耀(かぐ)|()は果たして静観していられるだろうか。
 きっと無理ですよね、と|()|(のん)は|(たん)|(そく)する。
 |耀(かぐ)|()なら、もしも|()|(のん)が最初に捨てられていたときに出会っていても。
 そこまで考えて、|()|(のん)は首を|()った。たらればの話など、不毛だ。
 人間は信用ならない。そう考えていたはずなのに。
 |()|(すが)に、これ以上の長居は危険かもしれない。けれど、歩けない状態で行き先も告げずに去ることを、|耀(かぐ)|()は良しとはしないだろう。
 |嗚呼(ああ)もう、限界だ。
 ついに|()|(のん)は決意した。事態を自らの意思で、|(さら)に動かすことを。

絡繰異聞・本編21『かくて都市伝説は現れる』狼煙は上がった