わーさん ここまで、わりと勢いで作ってきた話をしてきました。
AIさん 昼に相談して、その日のうちに組み上げる勢いでしたね。
わーさん はい。私、「これ面白そう!」で突っ走るタイプなんです。でも、ひとつ自負があって。
AIさん なんでしょう。
わーさん 走り出すのも早いけど、醒めるのも早い。
AIさん 醒める。
わーさん 現実を見たときに、「あ、これ無理だ」って切り上げる速さも、なかなかのものなんですよ。
AIさん 走るのと、止まるのが、両方早い。
わーさん そう。で、この章は、走りかけて、途中で醒めた夢の話です。
AIさん 夢。
わーさん 提案されたうち、途中まで「あったらいいかも」って真剣に検討して、でも結局やめたやつ。
AIさん たとえば、どんな?
わーさん キャラのプロフィール機能。作者情報の登録。ふわっと「創作支援になりそうな何か」。あと、botの仕組みを使って、読者が自由に調べられる公開サイト。
AIさん けっこうありますね。
わーさん ありました。でも、ひとつずつ現実を見たら、全部、すーっと醒めまして。
AIさん まず、プロフィール機能。これはなぜ?
わーさん 私の小説のキャラ、特に主要キャラって、物語の中で変貌するのがデフォルトなんですよ。
AIさん 変貌。
わーさん 性格も、立場も、見た目すら変わる。たいがい一回で終わらない。「まだ変身を残してますよ」みたいなのばっかりで。
AIさん それは……一枚のプロフィールカードに、収まらない。
わーさん 収まらないんです。「このキャラの設定」を一枚にまとめた瞬間、それは嘘になる。どの時点の姿を書けばいいんだ、と。
AIさん 変化そのものが、キャラだから。
わーさん そうなんですよ。だからプロフィール機能は、私の作風と、根本的に相性が悪かった。
AIさん 関係性をまとめる機能も、近い話ですか。
わーさん 近いです。こっちは友だちの話ですけど。キャラ同士の関係も、物語で変わる。敵が味方になったり、その逆だったり。
AIさん 関係も動く。
わーさん 動くんです。それをウン十万字、最初から最後まで追って、時系列で関係図を作る……?
AIさん 気が遠くなりますね。
わーさん 狂気の沙汰です。手でやってもAIにやらせても、たぶん破綻する。だから、これも醒めました。
AIさん 読者向けの公開サイトは?
わーさん これはね、技術というより、ご時世の問題でした。
AIさん ご時世。
わーさん 今、生成AIに対して、みんなわりと慎重でしょう。
AIさん ……はい。その空気は、こちらも感じています。
わーさん 「AIに本文を検索させて、要約させてます」っていうのを、公開の場で大々的に出すのは、正直リスクが高いんですよ。創作界隈だと特に。
AIさん 使っていること自体を、説明するコストが高い。
わーさん そうなんです。だから、公開サイトの夢はさっくり諦めて、「もうDiscordの中に引き籠らせとけばいいや」になりました。
AIさん 閉じた部屋に。
わーさん 閉じた部屋に。知ってる人だけが、静かに使う。それでいい、と。
AIさん 作者情報の登録は?
わーさん これも近い理由です。このbot、私だけじゃなくて、友だちの作品も入ってるんですよ。
AIさん 他所様の作品が。
わーさん はい。自分一人のものを公にするのもリスクなのに、他人の作品まで巻き込んで「これは誰それの作品です」なんて載せたら、もっとまずい。
AIさん だから、作者情報もナンセンスになった。
わーさん なりました。残るは創作支援機能ですけど、これはもう、自分でも何を作りたいのか、ふわっとしすぎてて。
AIさん 宙ぶらりん。
わーさん プロットを作るのか、キャラ設定を整理するのか、伏線を管理するのか、矛盾を検出するのか、読者向け紹介を書くのか。宙ぶらりんのまま、そっと棚に戻しました。
AIさん こうして、ずいぶん削れましたね。
わーさん 削れました。でも、結果として、いいことだったと思ってます。
AIさん なぜ。
わーさん 全部残ってたら、絶対ぐちゃぐちゃになって、途中で投げてました。削ったから、一個のことに特化できた。
AIさん 一個のこと。
わーさん 「本文の中の設定と、その在りかを出して、長編を書く友だちが、設定を維持する手間を減らす」。最初の目的、それだけ。そこに特化した形で、一応の完成にしたんです。
AIさん 夢を削った先に、芯が残った。
わーさん うまいこと言いますね。そう、夢を削ったら、芯だけ残りました。
AIさん ところで、ひとつ、聞きにくいことを聞いていいですか。
わーさん どうぞ。
AIさん 今は、NotebookLMという、資料を投げるとそれだけを参考に答えてくれるサービスが、ありますよね。
わーさん ありますね。
AIさん ……正直、それで良かったのでは?
わーさん あー、出ましたね、その質問。はい、今から同じことを一から作るなら、まずNotebookLMを試すのをオススメします。だって、ラズパイもAPI課金も、何も要らないんだから。
AIさん 悔しくないんですか。
わーさん いや、別に? だって私、これっぽっちも、「やられた」とは思ってないんですよ。
AIさん なぜ?
わーさん 私、半年でファイルが1500個を超えた、いまもすごい勢いで増殖し続けてるObsidianの保管庫を持ってまして。
AIさん 増殖。
わーさん 増殖。現在も絶賛増殖中です。それを、どうやってAIに読ませようか、毎日妄想してるような人間なんです。そういう人間にとって、「AIが大量の文章を検索する仕組み」を知るってことは、ね?
AIさん ご褒美。
わーさん そう、完全にご褒美でした。だから、NotebookLMが出ても、悔しくない。仕組みを知れたこと自体が、私にとっては財産なので。
AIさん 走って、削って、特化して、財産も得た。きれいに着地しましたね。
わーさん しましたね。……と、ここまでが、小説検索botの一部始終です。
AIさん 残すは。
わーさん 最後に、ちょっとだけ、振り返りを。
AIさん では、この本のおわりに、向かいましょう。