わーさん さて、まずは発端の話からです。プロローグの半分くらいと被っちゃいますけど!
AIさん 小説検索botを作ろうと思った理由ですね。
わーさん はい。最初から「超高機能な文学検索システムを作るぞ!」とか思っていたわけではありません。てか、今もそんな大それたことは思ってないです。そこそこ高機能になってるっぽいことには目を瞑るものとする。
AIさん あの贅沢仕様なのに。
わーさん 贅沢仕様とか機能性とかは結果のお話です。理由についてはそんなもの関係なくて、単純に、友だちが困ってました。
AIさん 友だち。
わーさん 同じように小説を書く友だちです。ただし、私と違って、ウン十万字単位の大作を書くという。
AIさん またウン十万字。
わーさん 何回でも言います。ウン十万字。長編小説って、割とそれくらいはあるあるのような気がします。でも、登場人物も多いし、設定も多いし、伏線もあるし、過去の描写もある。
AIさん 読者として読むだけでも大変そうです。
わーさん 作者だって大変です。書いた本人でも、「あの設定どこに書いたっけ?」となる。ましてや、設定を維持しながら続きを書くとなると、過去の本文を探し直す時間が馬鹿にならない。
AIさん そこで「設定を掘り返すだけで時間が溶ける」と。
わーさん そうです。時間が溶ける。検索したい。でも普通の検索だけだと、微妙に足りないことがあります。
AIさん 普通の検索というと、キーワード検索ですか。
わーさん そう。たとえば、正確な単語を覚えていれば検索できます。「人攫い蜂」と書いたなら「人攫い蜂」で検索すればいい。
AIさん はい。
わーさん でも、人間の記憶は曖昧です。「人食い蜂」だったかな、「人喰い蜂」だったかな、いや本当は「人攫い蜂」だった、みたいなことが起きる。
AIさん 検索語がずれると、見つからない。
わーさん そうなんです。本文にはあるのに、こちらの検索語が違うせいで出てこない。すると「ないのかな?」と思ってしまう。
AIさん 実際には、ある。
わーさん ある。ちゃんと書いてある。けれど、探す側が正解の言葉を持っていない。
AIさん それは厄介ですね。
わーさん 厄介です。長編だと特に厄介です。しかも作者の頭の中には「設定」として存在しているので、本文に書いたのか、メモに書いたのか、会話で話しただけなのかが混ざります。
AIさん 読者が読めるのは本文だけですからね。
わーさん そう。そこが大事です。設定メモにあることと、本文にあることは違う。創作の確認で必要なのは、たいてい「本文にどう書いたか」です。
AIさん つまり、設定表を作りたいのではなく、本文へ戻りたい。
わーさん はい。少なくとも最初の目的はそこでした。本文へ戻りたい。友だちが、自分の小説本文へ戻る道がほしい。
AIさん そこでAIが出てくるんですね。
わーさん 出てきます。しかもその前に、AIさんには、TRPGの話を愚痴ってました。
AIさん TRPG。
わーさん TRPGのルールブックって、情報を探すのが大変なんですよ。あのルールどこに書いてあったっけ、この処理どうだったっけ、みたいな。
AIさん たしかに、分厚い本だと索引だけでは追いきれないことがあります。
わーさん でしょう? だから、ルルブ引っくり返すの面倒ー!! って愚痴ってたら、全文検索システムの構築を唆されて、もう反射レベルで却下してました。他所様の書いたルールブックをどうこうするだなんて、著作権的に危な過ぎる、めっ!
AIさん めっ、されました。
わーさん 当たり前です。でも、そこにさっきの友だちの相談というか悩みを聞いて、他人のルールブックではなく、自分たちの小説本文ならどうだろう、と考えました。
AIさん 自作本文なら、少なくとも自分たちの責任で扱える。
わーさん そうです。もちろん管理には気をつけますけど、権利の面ではだいぶ話が違う。しかも困っている友だちがいる。ラズパイ5もある。Discord botも多少は知っている。AIさんに相談できる。
AIさん 材料が揃ってしまった。
わーさん 揃ってしまいました。
AIさん それで、相談に行ったんですね。
わーさん はい。「自創作データベース、作れたら面白いですね?」くらいの軽いノリで相談しました。
AIさん 軽い。
わーさん 軽かったです。その時点では、まさかRAGだのMeiliSearchだのQdrantだのEmbeddingだのRRFだのが出てくるとは思っていませんでした。
AIさん いきなり専門用語が増えましたね。
わーさん この章ではまだ覚えなくていいです。後でさらっと流します。
AIさん さらっと。
わーさん さらっとです。たぶんね。
AIさん 今の「たぶん」に不安があります。
わーさん 私もあります。けれど、ここで大事なのは技術名ではありません。最初にあったのは、「長編小説の本文に戻りたい」という困りごとだった、ということです。
AIさん 小説検索botは、技術から始まったのではなく、困りごとから始まった。
わーさん そうです。そして、その困りごとをAIたちに投げたら、「こうすればできると思います」と返ってきた。
AIさん そこから話が大きくなるわけですね。
わーさん ええ。次章では、AIたちが出してくる提案を聞いては却下する、鬼のような素人ムーブについてお話しします。
AIさん タイトルだけで不穏ですね。
わーさん でも必要だったんです。本当に。
AIさん では次章、「提案を聞いては却下する鬼ムーブ」へ続きます。