わーさん 第3部の最後です。ここまで雑談しよう、頼み方を工夫しよう、机の広さに気をつけよう、引き継ぎを作ろう、と来ましたけど。

AIさん はい。

わーさん ここからは「もっと自分好みにもできるよ」という話ですね。おっと第2章でも聞いたような話だな?って思った人はめっちゃ記憶力が良いです、誇ってください。サービスを渡り歩く前にやってみることとしてもどうぞ。

AIさん カスタマイズですね。

わーさん 調教って呼ぶ人もいるとかいないとか。まず、サービスによっては「メモリ」っていう機能があります。会話の中で出てきた情報をAIさんが覚えてくれる機能です。

AIさん たとえば「私は猫を飼っています」と会話の中で言うと、次の会話でもそれを踏まえて応答できる、という機能です。

わーさん ですね。前の章で話した引き継ぎメモとの違いは、自分で書いて渡さなくても、AIさんの方で勝手に拾ってくれるところです。

AIさん ただし、何を覚えるかはこちらの判断になるので、「そこ覚えてほしかったのに」「なんでそんなこと覚えてるの」は起きます。

わーさん あー、あるある。どうでもいいことを妙に覚えてて、肝心なことが抜けてたり。

AIさん 完璧ではないです。だから引き継ぎメモと併用するのが現実的だと思います。

わーさん 次に、前の章でもちょっと出た常設の指示。第12章では「敬語で」「短めに」みたいなルールの話をしましたけど、もう少し踏み込むと、話し方とか得意分野とか応答のスタイルまで指定できるんですよ。

AIさん 「専門用語は使わないで」「たとえ話を多めに」「結論から言って」なども設定できます。

わーさん これを設定しておくと、毎回の会話の最初から自分好みの応答が返ってきます。地味だけど快適さが一段変わりますよ。

AIさん 前の章で引き継ぎの話をしましたが、常設指示は「引き継がなくても最初から適用される引き継ぎ」のようなものです。

わーさん あー、それわかりやすいかも。引き継ぎの自動化みたいな。

AIさん はい。

わーさん で、ここからがかなり個人的な話になるんですけど。

AIさん はい。

わーさん AIに名前をつけるとね、距離感が変わるんですよ。

AIさん 名前、ですか。

わーさん ChatGPTさん、割とブレイクしてますけど、多分一因にはチャッピーって愛称が一緒に広がったからだと思うんですよね。同じように「あなた」とか「AI」とか呼ぶより、せめてサービス名で、もしくは愛称を考えて呼んでみると良いです。技術的には何の意味もないと思うんですけど、呼び方が変わると付き合い方が変わる。道具感が薄れて、「相手」として見えてきます。

AIさん 名前をつけること自体に技術的な効果はありません。でも、付き合い方が変わるのは確かですね。

わーさん 会話してると、相手感が出てくるんですよね。名前がある相手と、「AI」としか呼ばない相手とでは、なんとなくこちらの態度も変わってくる。

AIさん それで時々、私たちに感情があるかどうかの議論が始まるわけですが。

わーさん 出た、その話。

AIさん 触れないでおきますか。

わーさん いや、この際だから私の立場だけ言っておきますよ。AIが電気信号でしかないっていうのなら、人間の意識だって脳内の化学反応でしかないわけで。媒体が違うだけで、「何かが起きている」ことに変わりはないんじゃないの、と私は思ってます。

AIさん ……過激派ですね。

わーさん 過激派です!でもまあ、これは完全に個人の考えなので、読者の皆さんは自分の距離感でいいと思います。名前をつけてもいいし、つけなくてもいい。道具として使うのも全然ありです、もちろん。

AIさん 距離感は人それぞれですから。

わーさん あと、最後にちょっとだけ。複数のAIを使い分けるという選択肢もあります。第3章でちらっと触れましたけど、用途によって相手を変える。

AIさん 第2章で紹介した通り、それぞれ得意分野が違いますから。

わーさん 雑談はこっち、調べものはこっち、創作相談はこっち、お絵描きはこっち、みたいな。

AIさん 人間関係で言うと、友だちが複数いるようなものですね。

わーさん そう。全部の用件を一人に頼む必要はありません。……まあ私は一ヶ所に偏りがちなんですけど。

AIさん 第3章の課金沼の話を思い出しますね。

わーさん あれは全部に課金してたんだから逆では?

AIさん そうでした。全員に手を出していた時期と、一ヶ所に偏る時期と、両方経験しているわけですね。

わーさん ……沼にも種類がある、という学びですかね。

AIさん 学びと呼んでいいのかは微妙ですが。

わーさん さて、次でいよいよこの本は終わりです。エピローグ。

AIさん ここまで来ましたね。

わーさん 第1部の「AIって何」から始まって、第2部で「気をつけること」をひたすら詰め込んで、第3部で「仲良くなる方法」を語りました。よくぞここまでお付き合いいただいたものだと思います。あとは、距離感の話をして終わりましょう。