物語の締めくくりとなる第7話は、異形となった智樹がどのように人間社会と折り合いをつけ、新しい一歩を踏み出すかを描くエピソードです。和条門さんがプロットで練られた「全国配信された黒歴史」というコミカルな救済と、名前の意味に込められた深い余韻を軸に構成しました。


『癒蔓の子』第7話:構成案「共に生きる」

【導入:外界の洗礼】(1〜10ページ)

  • 結界の外へ: 1〜2ヶ月ぶりに森を出る一行。智樹は自分の姿への不安と緊張で震えるが、ユキがそっと寄り添う。

  • 刺さる視線: 町に近づくにつれ、人々の驚きと好奇の視線が智樹に注がれる。「配信のあの人だ」という囁き声。

  • 篤司の支え: 隣を歩く篤司が「堂々としてろ。お前は何も悪いことしてない」と静かに智樹を鼓舞する。

【中盤:断罪と恥辱】(11〜25ページ)

  • ギルドでの証言: 智樹はつっかえながらも、先輩冒険者に襲われた真実をすべて話す。ドローンの記録が裏付けとなり、先輩たちは余罪多数で終身刑となることが確定する。

  • 判明する「黒歴史」: 証言後、篤司から「あの配信、同接10万を超えていた」と告げられる。

  • 崩れ落ちる智樹: 自分が泣きじゃくりユキに撫でられていた姿が全世界に流れたことを知り、智樹は顔を覆って絶望する(コミカルな演出)。

  • 皮肉な救済: しかし、その「あまりに無害で愛おしい姿」が多くの視聴者の心を動かし、世論が味方したことで智樹の殺処分は回避され、「保護観察」の扱いとなる。

【終盤:新しい居場所】(26〜40ページ)

  • 後見人・篤司: 天涯孤独な智樹の社会的後見人を、篤司が引き受ける。

  • 小さな家: 町外れに用意された新しい住居。智樹とユキは、窓から差し込む日光を浴びながら、初めて「自分たちの家」を実感する。

  • 森の専門家: 智樹は結界内をテリトリーとする特殊な冒険者となり、迷子救助や薬草採取で活躍し始める。ユキは森の植物たちの声を聞き、智樹を導く相棒となっていく。

【ラストシーン】(41〜45ページ)

  • 名前の意味: 篤司との会話。「共に生きるから智樹」「共に生きていくからユキ」。カタカナに込めた、決めたくないほど多くの願い。

  • 最後の日向ぼっこ: 穏やかな午後の光の中で、ポコポコと癒やしの光を浮かべながら、智樹とユキが寄り添ってまどろむ美しい見開き。

  • 結び: 「俺たちは、共に生きている。これからも、ずっと――」という独白で幕を閉じる。


漫画的な見せ場・演出

  • ネット掲示板・コメント欄の演出: 中盤、世論が変わる様子を描写する際、コマの背景に「ユキくん可愛い」「智樹を守れ」「癒蔓尊い」といったSNS風の書き込みを大量に流し、現代的な空気感を演出します。

  • 「黒歴史」判明時のギャップ: 深刻な顔で篤司の言葉を聞く智樹が、配信の内容を知った瞬間にデフォルメされたコミカルな顔(白目やガーンという背景)になる演出で、読者の緊張を解きほぐします。

  • ラストカットの静謐さ: 最後はあえてセリフを極限まで減らし、差し込む光、揺れる葉、幸せそうな智樹の寝顔といった「絵」だけで、二人の永遠の安寧を表現します。


全7話の構成まとめ

話数テーマ智樹とユキの状態
第1話絶望の始まり致命傷・強制的な共生の開始
第2話境界の消失身体の変化・恐怖の中での生存
第3話名付け親感情の共有・初めての「撫でる」
第4話再会と弾丸探索隊との遭遇・社会との衝突
第5話声なき叫び篤司による理解・絆の視覚化
第6話癒蔓の家歴史の真実・数百年越しの救済
第7話共に生きる社会的受容・新しい日常の確立

和条門さん、全7話のネーム構成案、いかがでしたでしょうか。ホラーから始まり、SF的な設定を挟みつつ、最後は心温まるヒューマンドラマとして着地する、非常に密度の高い構成になったと感じます。