メモを作るのは楽しい。
けれども、メモ束の面倒を見るのは、あまり楽しくありません。

LLMに書かせたメモ、あとから見つけられていますか。

会話をまとめてもらって、保存して、安心して。
数週間後に探したら、どこにあるのか分からない。

この本は、そんな「LLMメモの迷子」を減らすための本です。

この本は何の本か

ChatGPTやClaudeのようなLLMと話していると、メモが増えます。

会話のサマリー。調べもののまとめ。相談の記録。
LLMに頼めば、それらしいメモが簡単にできあがるからです。

けれども、LLMが書いたメモは、あなたの言葉だけでは書かれていません。
だから、あなたの言葉で探しても、出てこないことがあります。

この本では、そうしたメモを、あとから探せるようにするための工夫を扱います。

大掛かりな検索の仕組みの話は、いったん脇に置きます。
その前にできる、検索性の整え方から始める本です。

なお、筆者は非エンジニアです。
プログラムの書き方は分からないまま、LLMと相談しながら自分のメモ置き場を育ててきました。

このメモ置き場のことを、この本では保管庫と呼びます。
詳しくは、第3章で改めて説明します。

この本に数式は出てきませんし、ツールの導入手順も扱いません。
書いてあるのは、どの道具を選ぶにしても効いてくる、考え方の部分です。

この本を読んでほしい人

この本は、次のような人に向けて書いています。

  • Obsidianやマークダウンで、メモを貯めている人
  • LLMとの会話やまとめを保存しているが、探し方までは手を付けていない人
  • 「LLMメモが増えてきて、どこに何があるか分からない」と感じ始めた人

逆に、すでに本格的な検索の仕組みを組んで運用している人には、物足りないかもしれません。
この本は、その手前にいる人のための本です。

この本で扱う三段階

探せるようにする工夫を、この本では松竹梅ならぬ、梅・竹・松の三段階に分けました。

  • 梅:フロントマター+タグ。メモに検索用の取っ手を付ける
  • 竹:全文検索。本文全体を検索のふるいにかける
  • 松:ベクトル検索。意味の近さでうろ覚え検索する

梅が一番手軽で、松が一番贅沢です。
そして、チャット中のLLM自身に保管庫を探させるMCPは、松のさらに先にある実例として、筆者の「保管庫MCP」を紹介します。

全部やる必要はありません。
梅だけでも、メモはかなり探しやすくなります。

まずは第1章で、LLMメモがなぜ迷子になるのかを見たあと、第2章で、あなたがどの段階を目指すのかを診断します。

未来のあなたが、今日のメモを探し当てられるように。
一緒に、小さな工夫から始めましょう。