手製本のプレス・固定具
家で作る手製本の準備物 の道具カテゴリのひとつ。紙束を一定の圧力で挟むための道具で、糊を使う綴じ方(無線綴じ・糸かがり綴じ)の背固め工程で本領発揮する。糊を使わない綴じ方(和綴じ・コプト・ロングステッチ)では出番が少ない。
商業現場のブックプレス(製本万力) は鋳鉄製の重量級で価格も数万円〜だが、家庭ではクランプ+板の組み合わせで同じ機能が再現できる——これが家で作るシリーズの一貫した発見。
基本編
家にあるもの・百均・ホームセンターで揃う最小版。
- クランプ2個 — ホームセンター(DCMホーマック・カインズ・コーナン)の工具コーナー、F型クランプ・C型クランプ・スプリングクランプなど。1個1000円前後で十分。締め付け力の調整がしやすいF型がおすすめ
- 板2枚 — 原稿より少し大きいサイズ、ホームセンターでカット済みの合板やMDF板を入手可。A4の本なら270×210mmくらいが扱いやすい
- ダブルクリップ(2〜3個) — 百均・文具店。紙束の仮止め、穴あけ時のずれ防止
- 重し — 表紙貼り後の圧着用。本が数冊あればそれで足りる、わざわざ買わなくていい
クランプ+板の使い方
紙束を板2枚でサンドイッチして、両側からクランプで締める。背を5mmほど板から出すのが作業面を作るコツで、ここに糊を塗ったり繊維をほぐしたりする。
商業ブックプレスとまったく同じ機能を、3桁の道具代で再現している——これが家で作るシリーズの家で作る無線綴じ が発見した「クランプ+板=ブックプレスの家庭版」という発想。
ステップアップ編
専門店で買う本格派系。
- 製本万力(ブックプレス) — まるみず組・美篶堂・輸入工具店。鋳鉄製・木製、ハンドル式で一定圧力。価格は数万円〜10万円超。「手製本を生涯やる」と決めたら買い物リスト入り
- 背固め用バイス — 背を整形しながら固定できる専用工具
- F型クランプの大型 — 板も大きくしたいときの大判用、ホームセンターの本格コーナー
- 木製プレス(DIYキット) — Etsyや海外通販で扱う、ボルト式の自作プレスキット
使う綴じ方
- 無線綴じ → クランプ+板が必須。背固め・乾燥中の固定
- 糸かがり綴じ(フレンチリンク+くるみ) → クランプ+板が再登板。背固め・表紙貼りの圧着
- 和綴じ・コプト綴じ・ロングステッチ → 出番なし、ダブルクリップだけで足りる
つまずきポイントとコツ
クランプの締め付け力が均等にならない — 2個のクランプを同じくらい締めるのが原則。片側だけ強いと背が斜めに固まる
板が反る — MDF板は厚みが薄いと反る。12mm以上の厚みの合板を選ぶか、両面に紙を貼って反り止め
ダブルクリップの跡が紙に付く — 紙束を直接挟むと跡が残る。紙の挟み込み部分に厚紙を一枚噛ますと跡が付かない
重しが足りなくて表紙が浮く — 本数冊で足りない場合、ペットボトルに水を入れたもの・電話帳・米袋などが家にある重し候補。均等に重みをかけるのが大事で、一点集中だと表紙がへこむ
クランプを外したら背が割れた — 乾燥が不十分なまま外したのが原因。木工用ボンドは半日〜1日、スティックグルーは10分を目安に、急がず
隣接トピック
- 手製本の接着剤と熱源 — プレスで押さえる糊
- 手製本の切る・削る道具 — プレスで固定してから背を毛羽立てる
- 家で作る無線綴じ — クランプ+板のセットアップ手順
- 家で作る糸かがり綴じ — 背固めでの再登板
ソース
- 家で作る無線綴じ — クランプ+板=ブックプレスの家庭版の発見
- 家で作る糸かがり綴じ — 背固め工程での使い方
- 製本のひきだし「無線綴じとあじろ綴じ、どちらが強い?」 — 商業ブックプレスの現場視点