白茶
六大茶類のうち、最も手数が少ないお茶。摘んだ茶葉を 萎凋(いちょう=しおれさせる) と 乾燥 だけで仕上げる。殺青も揉捻もしない。茶葉に元から備わっている力で、ゆっくりと淡い発酵が進む。
産地は福建省が本家で、福鼎(ふくてい) と 政和(せいわ) が二大産地。
グレード
採摘の規格(どの部位を摘むか)でグレードが決まる。芽が多いほど上等。
| グレード | 採摘規格 | 特徴 |
|---|---|---|
| 白毫銀針 | 芽だけ | 最高級。針のように尖った芽に白い産毛(白毫)。淡くまろやか |
| 白牡丹 | 一芯一葉 or 一芯二葉 | 芽と若葉。香りと味のバランス、入門向き |
| 貢眉 | 一芯三葉以内、毫心が明らか | 寿眉より芽が多く品質が高い |
| 寿眉 | 葉が中心、芽は偶にあれば可 | 普段使い、お得感、葉の深い味 |
「白」の名は、芽の表面を覆う白い産毛 白毫(はくごう) から来ている。茶葉自体が白いわけではなく、産毛の銀色がかった見た目から。
萎凋(いちょう)
摘んだ茶葉を薄く広げて放置し、水分を抜きながら自然な酸化を進める工程。日光に当てる 日光萎凋 と、室内で管理する 室内萎凋 がある。
萎凋の時間と環境によって茶葉の表情が変わる。福鼎は晴れの日が多く、日光萎凋が中心。茶葉に直射日光が当たって、ふっくらした芽と銀緑色の見た目になる。一方の政和は雨季と摘採期が重なるため、日光と室内を組み合わせた萎凋。茶葉は細長く、灰緑色がかる。
産地比較:福鼎と政和
| 福鼎 | 政和 | |
|---|---|---|
| 場所 | 福建東部・海岸沿い | 福建北部・内陸高地 |
| 標高 | 平均600m | 平均800m、最高1597m |
| 気候 | 東アジア亜熱帯海洋性モンスーン | 亜熱帯モンスーン湿潤、寒暖差大 |
| 主品種 | 福鼎大白茶/福鼎大毫茶 | 政和大白茶 |
| 萎凋 | 日光萎凋中心 | 日光+室内併用 |
| 茶湯の色 | 淡め、清らか | 濃いめ、厚い |
| 香味 | 花果香、爽やか | 甘み、戻り甘が強い |
| 熟成適性 | 比較的早く育つ | 時間がかかるが香味が深まる |
「白茶を飲む」ときに、産地で福鼎か政和かを意識するだけで、目の前の一杯の方向性が見えてくる。
老白茶(ろうはくちゃ)
白茶は時間とともに育つお茶でもある。3年以上寝かせたものを 老白茶 または 陳年白茶 と呼ぶ。年月とともに茶葉の色は深まり、味は丸く、薬効的にも珍重される。中国には「一年茶、三年薬、七年宝」(一年なら茶、三年なら薬、七年なら宝)という言い回しがある。
新しい白茶の清らかさと、老白茶の落ち着きは別物。両方持っておいて、気分で選ぶのが楽しい。
注ぎ足し飲みと白茶
工夫茶式に蓋碗で何煎も淹れても、グラスに茶葉を直接放り込んで湯を継ぎ足す気軽な飲み方でも、白茶は応えてくれる。
- 白毫銀針・白牡丹 — 芽が多いタイプ。淡くゆっくり開いていくので、急いで濃く出さず、湯と時間に任せてのんびり待つ淹れ方が合う
- 寿眉・貢眉 — 葉メインのタイプ。煮出してもよく、日常使いに気負わず使える
- 老白茶 — 煮出すと真価を発揮。とろみのある琥珀色の茶湯になる
休日の長い時間に、同じ茶葉を何煎も追いかけて、表情の変化を眺めるための茶として向いている。詳しい淹れ方はお茶の飲み方へ。
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ソース
- 白茶(Wikipedia) — 白茶の概論
- 白茶(悟空) — 白茶のグレード解説
- 白茶の解説:種類・おいしい飲み方・生産エリア(中国茶ライフスタイル文化協会) — 製造工程と萎凋
- 白茶等級:白毫銀針、白牡丹、貢眉、壽眉有何區別?(廖長興茶業) — 4種白茶のグレード差
- 深度解析福鼎白茶与政和白茶的7个区别(知乎) — 福鼎と政和の比較
- 貢眉壽眉的區別(廖長興茶業) — 貢眉と寿眉の違い