手製本の折る・しごく道具
家で作る手製本の準備物 の道具カテゴリのひとつ。折り目をピシッと作るためだけの道具。地味だけど、仕上がりの見栄えに直結する地味な決定打。折り目が甘いと折丁の厚みがブレ、背が揃わなくなる——だから何かしらの硬い道具で「しごく」工程は省かない方がいい。
特に折丁を作る綴じ方(糸かがり・コプト・ロングステッチ)で本領発揮。和綴じや無線綴じでも表紙の折り目で活躍する。
基本編
家にあるもの・百均で揃う代用品系。まず一冊作るならこれで足りる。
- 定規の角 — 金属定規・プラスチック定規どちらも、角でしごく
- スプーンの柄 — カトラリーの柄の硬い部分、丸みが紙に優しい
- プラスチックカード — クレジットカード・ポイントカードの不要なもの。角と縁が両方使える
- アイスの棒 — 木製、紙を傷つけにくい
「ヘラ専用品が無くても代用が効く」のが折る・しごく道具の柔軟なところ。「折り目をしごく」という動作さえ実行できれば道具は何でもいい。
ステップアップ編
専門店で買う本格派系。
- ボーンフォルダー(牛骨製のヘラ) — 画材店・まるみず組・美篶堂。製本専用道具らしい滑りとシャープな折り目。長さ15cmくらいが扱いやすく、価格は1000〜3000円。最初の本格派ステップアップ候補としてコスパが一番いい
- テフロンフォルダー — 樹脂製、紙を汚さない。ボーンフォルダーよりさらに滑りがよく、本格派バインダーの好み
- アクリルフォルダー — 透明で線が見える、精密な折り目用
- 木製ヘラ — 国産工房の手作り品、長く使うほど手に馴染む
使う綴じ方
| 道具 | 無線綴じ | 和綴じ | 糸かがり | コプト | ロングステッチ |
|---|---|---|---|---|---|
| 代用品(定規・スプーン) | ○ | △ | ○ | ○ | ○ |
| ボーンフォルダー | ○ | ○ | ◎ | ◎ | ◎ |
| テフロンフォルダー | ○ | ○ | ◎ | ◎ | ◎ |
折丁を作る綴じ方(糸かがり・コプト・ロングステッチ)でボーンフォルダーがあると一段ラクになる。和綴じは紙を折らないことも多いので出番が控えめ。
つまずきポイントとコツ
折り目が甘くて折丁の厚みがバラバラ — しごきが足りない。ぐっと体重をかけて2〜3回往復するのが目安。折り目が「カチッ」と固まる感覚
紙が破れる — 鋭利な金属定規の角でやると破れることがある。プラスチック系の代用品か、ボーンフォルダーの丸みのある方で
ボーンフォルダーが紙を汚す — 古いボーンフォルダーは皮脂や汚れが付くと紙に移る。乾いた布で拭いてから使う
しごきの方向が一定しない — 折り目の中央から両端に向かってしごくのが基本。真ん中→外側へを意識する
折り目を入れる位置を間違える — 鉛筆で薄く下書きしてから折る。一度しごくと修正できない
隣接トピック
- 手製本の紙 — 紙の目に沿って折ると折り目が綺麗
- 手製本の計測・印・仮止め — 折り位置の下書き
- 家で作る糸かがり綴じ — 折丁を作る本場
- 家で作るコプト綴じ — 折り目の鋭さが仕上がりに直結
ソース
- 家で作る糸かがり綴じ — 折丁作りでのヘラの役割
- 家で作るコプト綴じ — 折り目しごきの代用品リスト
- 家で作るロングステッチ — 表紙の折り位置の目印として
- はじめての手製本 製本キット(まるみず組) — ボーンフォルダー付きキット