手製本の針

家で作る手製本の準備物 の道具カテゴリのひとつ。糸を使う綴じ方(和綴じ・糸かがり綴じ・コプト綴じ・ロングステッチ)で出番がある、糸と必ずセットになる道具。無線綴じだけは出番なし。

針は穴をあけるのではなく糸を通す役。穴あけは別の道具(手製本の穴あけ道具)で先にやってから、針は糸通しに専念する——という分業が手製本の基本。だから針先がそれほど鋭くなくてもよいのが意外なポイント。

基本編

家にあるもの・百均・手芸店で揃う代用品系。まず一冊作るならこれで足りる

  • ふとん針 — 家庭裁縫の道具、太めで丈夫。和綴じ・糸かがり綴じの代用に最適
  • 刺繍針 — 手芸店・百均、ふとん針より細め。糸が25番刺繍糸なら相性がよい
  • 太めの縫い針+ペンチ — どうしても専用針がないときの非常用。ペンチで持って力を入れる

針の長さと太さ

  • 長さ4〜6cmくらいが扱いやすい。長すぎると折丁の内側で取り回しにくい
  • 糸通し穴は糸の太さに合うもの。25番刺繍糸3〜4本どりなら大きめの穴が必要

ステップアップ編

専門店で買う本格派系。

  • 製本針(まるみず組・美篶堂) — 糸通しの穴が大きく、糸との相性がよい。長さの選択肢も豊富
  • カーブ針(湾曲針) — レザークラフト店・製本材料店。コプト綴じで折丁間の絡めがラクになる決定打。角度が取りやすく、下の折丁の糸に針を絡める動作で本領発揮
  • 菱目打ち(レザークラフト道具) — 厳密には針ではなく穴あけ道具だが、革表紙ロングステッチで穴を綺麗な菱形に開ける。詳しくは 手製本の穴あけ道具
  • 製本用湾曲針(特殊カーブ) — 上級者向け、複雑なかがりのとき

使う綴じ方

和綴じ糸かがりコプトロングステッチ
ふとん針・刺繍針
製本針
カーブ針

カーブ針はコプト綴じで一番恩恵が出る。普通の針でも作れるが、チェーンステッチの絡め動作で疲労が違うので、コプト綴じを2冊目以降に進むタイミングで導入すると効く。

つまずきポイントとコツ

糸通しの穴が糸より小さくて通らない — 細い針+太い糸の組み合わせがよくある事故。糸通し器(百均にある)を使うか、針を一段太くする

針が折丁の途中で止まる — 穴が小さすぎるか、紙が厚すぎる。穴を目打ちで広げ直すのが早い。針で穴を広げようとすると針が曲がる

針が手から滑る — 長い糸を通す動作が多いと指が疲れる。指ぬき(百均の手芸コーナーにある)が地味に効く

コプト綴じで下の折丁の糸に絡められない — 角度が取りにくいのが原因。カーブ針があると一発で解決する道具

糸が針穴で擦り切れる — 針穴のバリが原因のことも。新しい針に交換する、または針穴を細い紙ヤスリで滑らかにする

隣接トピック

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