手製本の計測・印・仮止め

家で作る手製本の準備物 の道具カテゴリのひとつ。測る・印を付ける・一時的に押さえる——どの綴じ方でも要る、地味だけどここを丁寧にやると仕上がりが一段違う「裏方の道具」たち。

派手な見せ場はないが、穴位置の精度・表紙の採寸の正確さ・紙束のずれ防止——どれも本の出来栄えに直結する基礎工程。

基本編

家にあるもの・百均で揃う。

測る道具

  • 直定規 30cm — 文具店・百均。表紙の採寸、長辺の測定。金属定規だとカッターで切るときに刃が走らない
  • 直定規 15cm — 細かい寸法、穴位置の下書き
  • メジャー — 本文ブロックの厚みを正確に測りたいとき。ノギスの代用にもなる

印を付ける道具

  • 鉛筆(HB〜2B) — 文具店・百均。穴位置・折り位置・切り位置の下書き。消せる印であることが大事
  • シャープペン — 細い線で印を付けたいとき
  • (マーキング用) — 紙の表面に薄く跡を付ける、消えない印を残したいとき

テンプレート

  • テンプレート用の細長い厚紙 — 厚紙を細長く切って、穴位置を決めて一度だけ穴を開けたもの。穴あけの効率を劇的に変える地味な決定打

これは手製本の穴あけ道具 でも触れた運用知。和綴じ・糸かがり・コプト・ロングステッチ全部で効く。2冊目以降は当てるだけで済む。

仮止め

  • ダブルクリップ(2〜3個) — 百均。紙束のずれ防止、穴あけ時の仮止め。紙挟み込み部分に厚紙を一枚噛ますと跡が付かない
  • マスキングテープ — 仮止め・位置決め、剥がせるテープなので跡が残らない
  • ペーパークリップ — 軽い仮止め、薄い紙束向き

ステップアップ編

専門店で買う本格派系。

  • 金尺(金属直定規・ステンレス) — 画材店(世界堂・Too)・東急ハンズ。カッターで切るとき刃が走らない、表面に滑り止めの溝があるタイプも。30cm・50cmで2本あると便利
  • L字定規(曲尺) — ホームセンター・画材店。直角を確実に出せる、表紙の切り出しで効く
  • 三角定規・分度器 — 角度を出したいとき、製本用治具的に使える
  • 製本用治具 — まるみず組・美篶堂、上級者向け補助具
  • デバイダー(計測コンパス) — 等間隔の穴位置を出すときに、機械的精度で測れる
  • 方眼マット — カッターマットの上位互換、目盛り付きで採寸しながら切れる

使う綴じ方

すべての綴じ方で要る基礎道具群。綴じ方を選ばず常備しておくもの

特に効く場面:

  • 表紙の採寸(無線綴じ・糸かがり綴じ)— 本文ブロックの厚みを実測してから表紙を作る順序を守るための計測
  • 穴位置のテンプレート(和綴じ・糸かがり・コプト・ロングステッチ)— 全折丁で同位置を保証する
  • 紙束の仮止め(全綴じ方)— 穴あけ・糊塗り・縫いの間、紙が動かないように

つまずきポイントとコツ

鉛筆の線が濃すぎて消えない — HBか2Hで薄く下書きする。完成後に消しゴムで消す前提で

表紙の背幅が合わない — 本文を綴じ終わった後の厚みを実測してから表紙を作る、の順序を絶対に守る。先に表紙を作る事故が一番多い

穴位置のテンプレートが歪む — 厚紙が薄いとテンプレート自体が反る。0.5mm以上の厚みで作る

ダブルクリップの跡が紙に付く — 紙挟み込み部分に厚紙を一枚噛ます。または挟む位置を最終的に切り落とす余白部分にする

マスキングテープが剥がれて紙が破れる — 強粘着のテープは紙を傷める。製本専用マスキングテープか、糊が弱めのものを選ぶ

測り直しのたびに目盛りがずれる — 金尺だと目盛りが消えにくい。プラスチック定規は経年で目盛りが薄れることもある

隣接トピック

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